日本医学脱毛学会事務局

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前期2単位)

 ● 絶縁針
   1. 針の構造と分類
   2. 絶縁状態の把握
   3. 針の磨き方


 

絶縁針                                      1012年4月5日作成のメーカ−説明パンフより

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a. 針の構造と分類

 脱毛術において、絶縁針の選択は最も重要です。現在、針の太さ、及び長さにより約20種類の絶縁針の用意があります。太さによる分類は以下の様になっています。

 U型      針の直径  0.11mm

 S型      針の直径  0.15mm

 L型      針の直径  0.19mm

 C型(K型)   針の直径  0.23mm

(K型針はC型針よりも針の先端が鋭く、通常の脱毛ではC型針を使いたい。)

 S型針(U型針)は、麻酔を用いない〈氷冷却法脱毛術〉為に開発されたものですが、現在は軟毛を中心に使用されます。腋窩部など限られた範囲を局所麻酔下に脱毛する場合は、C(K)型針を使用することが多い。
 次に、皮内に刺入される部分と絶縁部分の長さの違いにより針を分類しています。例えば、S4015針とは、S型の針で皮内に4.0mm刺入され、そのうち基部の1.5mmが絶縁されている針を表します。各針は、カラーの点状マーク(カラーコード)により識別されます。以下に絶縁針一覧表を示します(これは現在、多少異なりますが絶縁針脱毛術の教科書からそのまま転載します。)

      

針 型        目 的                                     カラーコード

U1505  氷冷却法  手指の毛。拡大鏡下で顔面(鼻、人中部、頬)   

U2007    氷冷却法    前腕毛、上腕毛、女性の髭や体幹部毛           オレンジ

U3408    氷冷却法    女性の髭など顔面毛                           

S1505    氷冷却法    手指、足趾の毛                               

S2707    氷冷却法    女性の下肢毛、腋毛、ビキニライン毛の内の     淡灰

                     軟毛、小耳症の毛の内の軟毛

S3410    氷冷却法    女性の下顎硬毛、女性下枝毛、腋毛、乳輪部     青

                     毛、下腹部毛男性の前腕毛、胸毛、体幹毛など

S4015    氷冷却法    ビキニライン毛、男性の髭、体幹毛など         濃灰

L1505    氷冷却法    腋の短毛                                     淡灰

L2507    氷冷却法    下肢                                         

L3007    氷冷却法    女性腋毛、下肢毛、男性胸毛、前腕毛           黄緑
         (局麻法)

L4010    氷冷却法    下肢毛、ビキニライン毛、男性の髭や体幹部毛   紫

         (局麻法)     

L5015    氷冷却法    長い陰毛(ビキニライン毛)、男性の長い髭     ピンク

         (局麻法)

C(K)2510 局麻法      細い腋毛                                     

C(K)3011 局麻法      腋毛、母斑毛、四肢毛                         

C(K)3512 局麻法      腋毛、母斑毛、四肢毛                         

C(K)4012 局麻法      腋毛、母斑毛、四肢毛、ビキニライン毛        

C(K)4512 局麻法      長い腋毛、長い母斑毛、ビキニライン毛、男性   オレンジ

                     の髭

C(K)5012 局麻法      長い陰毛(ビキニライン毛)、男性の髭         

※現在では必ずしも局麻しない。1/2秒または1/4秒で出力6〜7を用いる。

 

 


b. 絶縁針をいかに長持ちさせるか?___絶縁部分を長持ちされる脱毛術___

1.細い針の絶縁部は剥離しやすく、太い針は剥離し難い。従って、C(K)型よりも、U、S、L型の針の方が一般的に剥離しやすい。このような針の絶縁部本来の性質を、まず念頭におきます。

2.通電強度ダイアルを有効最小目盛りとします。例えば、IME=5000では、氷冷却法のときの有効最小目盛りは5〜6です。強度ダイアル6で脱毛中に絶縁部がとれやすいと感じた時は、5.5ないしは5に弱めます。ダイアルを7,8,9と上げるに従って、絶縁部もとれやすくなります。ただし、局所麻酔を施行した場合は通電効果を弱めるため、ダイアルを7(時に8)とします。

3.局所麻酔する場合、麻酔量は必要最小限におさえます。麻酔液を多量に使用した場合、それだけ電気凝固が弱められますので、通電時間・通電強度ともに上げなければなりません。結果として針の絶縁部にも影響をあたえることになります。

4.針を刺入する際は、左手または両手の指で皮膚を押し広げ、緊張させながら、正確に毛穴から毛根に沿って毛包内に軽く刺入します。この時は、抵抗が無くスムーズに刺入できます(特にU・Sタイプの針使用時は大切です)。瘢痕部や膝頭などの硬い皮膚での脱毛は絶縁がとれやすい。十分皮膚を緊張させた後、針をスムーズに抵抗無く刺入させることが、絶縁を長持ちさせる方法です。

5.針の絶縁部が皮膚に刺入されたら、それ以上は押し込まずに皮膚が平らな状態で通電します。刺入部皮膚がへこむ様に針を押し込み通電すると、針の基部に力が強く加わるため針基部の絶縁剥離が早まります。

6.脱毛中、針の非絶縁部に凝固物が付着したら、すぐに拭き取ります。これは通電効果にも影響するので大切です。
 下の写真の模型は絶縁が剥離した状態を示したものです。絶縁のが剥離した状態を示しています。絶縁の状態を脱毛中に把握していることは非常に重要ですので、針の付着物を酒精綿で拭き取る際などに拡大鏡で絶縁の状態を常に確認しなくてはなりません。そのためには、剥離のパターンを理解しておく事は重要です。

絶縁針の剥離のパターン

 

 


c. 脱毛後の針の始末・保管

1.脱毛後の針は、原則として個人専用所有と言うことに決めます。

[参考]脱毛針の相互感染について、1986年12月にアメリカ皮膚科学会会誌にて、数人に皮膚科医師が「針によるB型肝炎の感染の可能性」を報告されました。
 絶縁針では、特に絶縁部が電気の発熱による殺菌を期待できないので、相互感染を100%防ぐ目的で、針は個人別に分けるべきでしょう。なお、AIDS(後天性免疫不全症候群)が広がっているアメリカでは、さらに厳しく、ディスポーザブル針(1回のみ使用する脱毛針)による脱毛針が主流を占めつつあります。

2.脱毛終了後は酒精綿にて付着物を拭き取ります。

3.針の消毒については、酒精綿(アルコール)による消毒が簡便ですが、より綿密に消毒を行なおうとするなら、ホルマリンガスや各種消毒液による殺菌をすすめます。高温のオートクレーブは、針の絶縁の寿命を縮めるようなので、あまり使用していません。

4.使用した脱毛針を保管する場合は、針先を曲げないように注意して、各個人用のプラスティックケースに保管します。

 



d.絶縁針の磨き方

1.実体顕微鏡下か拡大鏡下で行ないます。カッターナイフの先端を使用して磨き、終了時点で先を折って破棄します。感染の予防です。

2.この時全周を磨きますが、絶縁針はL型をしていますので、上手に手の方向を変えて、先だけを回転させるように全周を回転させながら行ないます。初めの針磨きは保存中の酸化被膜を取り通電性を確保します。

3.絶縁部を傷つけないように、初めのうちは少し絶縁部から距離をおいて行ないます。慣れてきたらギリギリまでするようにしましょう。

4.絶縁部を剥がしますと、針の交換になってしまいます。

5.ベッドサイドでも、針が汚れたりして通電効果が落ちますので、長時間の脱毛や皮脂の発達した方などの脱毛では小まめに磨く事が大事です。脱毛中でも、あまり汚れて通電効果が悪い場合は、実体顕微鏡の前で磨く事も必要でしょう。

6.拡大鏡下で脱毛する習慣にする事で、早く汚れに気付くようになりますので、初めから拡大鏡を使用しましょう。